「蟹工船」という小説を読んだことがありますか? 蟹工船は、小林多喜二の小説で、プロレタリア作家として知られています。戦前のベストセラーと言われるこの作品は、今、再び静かなブームを呼んでいます。
とくに近年、さまざまな労働問題が発生する中で、労働問題の相談サイトでもよく話題になっています。この小説は、ワーキング・プア、貧困な人や弱い者への迫害などについて取り上げられており、現在の多くの労働問題にもどこか共通している点がいろいろあります。
この小説は、戦後に映画化されましたが、2009年にも映画でリメイクされました。蟹工船では、低賃金で重労働といった過酷な労働環境の中で、出稼ぎをする労働者の姿が描かれています。現在のように労働問題について相談できる環境ではなく、人間的な扱いを受けていないといった状況が作品の中で描かれています。
近年の大規模な派遣切りは、まさにこのような労働環境と重なる部分があり、現代社会においての派遣労働者に対する理解もできます。作品の中で、蟹工船で働く労働者たちが団結して、雇用者側に相談して、行動を起こしますが、それはやがて内紛につながり、追い詰められていく労働者たちの姿が描かれています。
この作品が静かなブームを呼んでいる背景として、現代社会で労働者が人間的な扱いをされていないような、世の中のひずみが起こっていることが伺えます。この小説と重ね合わせて、労働問題を客観視して、深刻化する労働問題を解決すべき問題であるという認識が高まっています。